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オランダ視察

2014/09/11

この度、9月初めに、主に国際刑事裁判所に関する研究のためオランダ・ハーグを訪れました。ハーグでは聞き取り調査や資料収集を行い、国際刑事裁判所では、ケニア共和国の事態に関するケニアの副大統領Ruto氏らの訴追を行うRuto & Sangの事件(第1審)を傍聴することができました。

国際刑事裁判所裁判部によって初めて(と検察の職員から伺いました)出頭命令の出された(命令を拒 否すれば刑事訴追の可能性も出るそうです)検察側の匿名の証人604が、画像処理及び音声処理されてケニア(の秘匿された場所)からビデオリンクで、自らの証言を撤回して嘘であったと主張するその証人の発言について主に検察側の尋問を受けておりました。尋問の末、証人604は検察に敵対する証人であると裁判官から認められました。

検察の職員の話では、ケニアのRuto & Sangの事件では、証人威迫が問題となり十分な証言が得られておらず、Kenyattaの事件では被告人の財産・経済状況に関する証拠がケニアから十分 に得られていないので立証が進まず、訴追が不可能かもしれない危機にあるようです。何が嘘で何が本当か、混とんとしてしまっていて、真実追究という刑事司 法の目的に逆行している状況に思われます。

国際刑事裁判所は、国内司法機関では特に捜査・訴追が困難な国家機関の要人を捜査・訴追するという使命を帯びているものの、政府の要人を訴追対象とすれば、個人の協力や国家協力が得難くなるのもまた事実なのでしょう。また、当然、国際刑事裁判の初期段階では、判決前の問題として、証拠法、訴訟法関係の多くの論点が先鋭化します。国際刑事裁判所もその例外ではないと痛感しまし た。

関係の方々のお力添えによりまして、今回の渡航も有意義な渡航となりました。
渡航前、渡航中、お世話になりました関係 の方々に心よりお礼を申し上げます。

なお、研究業績の「口頭発表」、「書評」に追記いたしました。

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© Hitomi Takemura